
さて、暦上では立春とまさに春の季節がやってきたわけですが、まだまだ寒い日が
続いている今日この頃です。そんな2月は意外と雪が降る時期でもあります。そしてこの雪ですが、
意外と問題を引き起こす事が多いようです。
積もった雪が解けた後の道路はドロドロ状態になり、雨以上に車が汚れることと思います。
特にバンパーやサイドのホイール付近は雪の量にもよりますが、激しく汚れます。
積もった雪道を盛大にバンパーで掻き分けて走る車高の低い車はさらに悲惨で、私の車もフロント部分が割れてしまったことがあります。
雪道の走行による傷や汚れは意外と多いわけですが、走行時以外にも気を付けた方が良いことがあります。
それは車に積もった雪を下す時です。よく積もった雪を無意識にズズ〜!!っと腕などで滑り落としがちですが、
もし線傷を気にするのであれば、極力軽く払いのけるようにやさしく行いましょう。なぜか?
雪雪の下にはボディーがありますが、その間に砂や色々な汚れがあるからです。普段、ご来店頂いている方にも
お伝えするのですが、「洗車した直後以外は、極力ボディーにさわらない方が良い」という内容があります。
つまり少しでも汚れた状態で触ることは、砂埃や汚れをこすり付けていることになるので確実に細かな傷が入ります。
重い雪が沢山積もった時はさらに顕著かもしれません。なので、極力優しく払いのけてあまり擦らずに除去するか、
優しく雪を下すことをお勧めします。こだわりの車を販売している車両販売店などでは、特殊な形をした(扇みたいな)もので、
雪を滑らして除去するのではなく、すくって除去しているところもあります。これはとても同意できますし、同じ立場なら
私でもそうします。手では冷たいからといって、ついつい家にあるホウキなどで落とす方もいるかもしれませんが、
やめた方がいいでしょう。塗装に比べてかなり硬度の高い窓ガラスでも硬いものですったら、意外と簡単に線傷が入ります。
(フロントガラスは特にサイドやリアに比べて柔らかいのでご注意を。)
このような事を言っていたら車なんか乗れるか!と思われるかもしれませんが、塗装は繊細なものです。
余談ですが、当店にあるテストピース用のボンネット(ホンダNSXソリッドブラック塗装)をご来店の時に触ってみてください。
綺麗にに研磨を入れた場所を指で少し擦るだけで微細なスクラッチ傷が入るのを確認頂けます。室内に展示してあり大して埃も載っていないのに、
指の角質だけでそうなります。私はこれを見る度に塗装の繊細さと怖さを感じます。
普段の何気ない行動一つ一つを気にすることで、細かな傷の増加を極力抑え、塗装本来のツヤを維持できます。
非常に手間がかかり、気をつかうので全ての方にお勧めできる維持管理方法ではありませんが、車も時計のような
宝飾品の一つとしてとらえると、必要な気遣いかと思います。雪による影響の中の1つ、傷についてだけ細々と書きましたが
融雪剤の影響、チェーンなどの粉砕鉄粉、スケール固着等々・・・気にしだしたらきりがなく、雪による影響を完全に防ぐのは
現実的に難しいかもしれません。大きな対処法があるとしたら、「雪が積もるような時は極力車に乗らない」でしょうか。そしてもし
汚れてしまった時はなるべく早く洗車をする。また、特に汚れがひどい場合は、いきなり洗車機に入れる事は避けた方が良いかと思います。
もし雪が積もった時、ここでお話しした事を少しでも思い出して頂けると思わぬトラブルを避けられるかもしれません。