
毎年のことながら、年明けごろから徐々に花粉が飛びはじめ、マスクをしても
辛いという方が多いかと思います。チョッパー洗車.comでもご相談頂く事が非常に多く
車についてしまう花粉に悩まされているオーナー様は多いようです。ということで私見ですが、
この花粉について少々お話しいたします。
@ 時間経過によってできる花粉ジミとスケール痕(イオンデポジット)の違いとは?
花粉がボディーに降り注いでから時間が経っていない内は、特にシミになる事もなく、
中性洗剤であらかた落ちるとは思います。ところが一度雨などで濡れた後に乾燥した花粉は
いっきに性格が激変します。つまり洗車せずに放置した場合に、この変化した花粉によって問題が生じるわけです。
この少しの間になぜそうなるのでしょう?
花粉は小さな胞子状で、そのまま飛散して塗装にくっついても実はさほど大きな影響はありません。
しかし、雨などでこれらの胞子が濡れ、天日と共に加熱・乾燥した時に花粉自体の性格が変化します。
もともと花粉は種類にもよりますが、球状の形をしています。その花粉が雨などで濡れた後、乾燥する際に殻が破れ
ペクチンという物質が中から出てきます。主に植物細胞壁の構成物質であり、主成分はガラクツロン酸という
酸性の物質で、塗装に浸食してそのまま縮む性質があります。
(ネットより流用)
@ 花粉の胞子が濡れる
↓
A 胞子の殻が破れ、ペクチン登場
↓
B 塗装のデコボコに浸食
↓
C ペクチンが塗装と共に縮む
↓
D 花粉シミ完成
スケールシミ(ボディーの輪ジミ)と似ていますが別物です。スケール痕のシミはイオンデポジットという
ある種の固着汚れなのに対し、花粉シミはある種の陥没です。なので花粉によるシミは当店の
とぎ洗いの水垢除去では落ちませんし、軽くバフなどで研磨したぐらいでは取れないでしょう。
A対策は?
まず花粉が飛散する時期はこまめに洗車をして、影響を最小限にとどめます。
それでも完全に防ぐことは出来ないでしょうし、出来てしまった時はどうするのか?と言いますと、
答えは「熱」にあります。上述のペクチンは熱が加わり乾燥した時に縮む性質があると説明いたしましたが、
これまた逆に熱によって取り除く事が出来ます。ボンネットについていたシミが知らぬ間に無くなっていたと
いう経験をした方もいるかと思います。それは夏などの強烈な太陽光によって加熱された結果としてチヂミが
取り除かれた為だと思います。逆に言えばケミカル類ではこの花粉シミは簡単には取れないわけです。
対策のまとめとして
@―太陽光による加熱・放置(夏場など)
A―ドライヤー・ヒートガンで加熱する(加熱しすぎ注意)
B―お湯をかけて流す(70〜80℃)(ヤケドの危険あり・樹脂部変形、変質注意)
磨き時の熱を利用するなどの専門ショップもありますが、どれも熱を利用して落とすのが
共通点でしょうか。ちなみにヒートガンはかなりの高温になるので塗装への事故率が高く、
お湯に関しても温度が高すぎる(80℃以上)と樹脂やゴム類など悪影響が出ます。
なによりやけどの危険があります。結局、T以外はどの方法も手軽とは言えません。
実際これらの花粉ジミは、夏の季節に掛けて自然と消えてしまうのが大半です。
花粉によるシミの対策としては、結局のところ、花粉が車についてきたら面倒でも
早めの洗車による除去をするのが必要かと思います。車のシートを掛けたら?とよく相談を受けますが、
黄砂やほこりがシートと車の間に入り、風で揺られた際に確実にエッジ部分に傷が入りますので、
個人的にはお勧めしません。
とてもとても、と〜てもマニアックな記事でした。チョッパー洗車.comはそうです・・・
マニアックすぎるところがあるのです。この長い記事をここまで読んで頂けた方は、
私とお店でお車についてとてもマニアックな雑談をできるものと思います。